OPEN FACTORY
都市型工房の可能性をオープンに
2025
07.14
【前編】URBAN RESEARCH 万博店舗の什器製作 – 3Dプリントの可能性を探る試み

はじめに|URBAN RESEARCHとの出会いと、栁澤さんのデザイン
2025年、大阪・関西万博の会場内に「URBAN RESEARCH EXPO2025 STORE -アーバン博-」が出店されました。
URBAN RESEARCHによる「未来に繋がる“すごい”をシェアする」をテーマにした店舗です。
光伸プランニングでは、この出展店舗の什器製作・施工を担当させていただきました。
デザインを手がけたのは、デザイナー 栁澤春馬さん(@formula_sds)。
今回製作した什器は、再利用性や普遍性、異素材の組み合わせ、強度への配慮など、万博後の活用も見据えた実用性重視のデザインが特徴です。
什器はほとんどを可動式とし、誰でも扱いやすい設計に。「万博終了後も既存店に移設して使い続けたい」という要望のもと、奇抜な素材は避けつつも、3D素材と一般的なマテリアルを掛け合わせ、新しさと親しみやすさの両立を図りました。繰り返しの使用に耐えるよう、想定以上の負荷にも耐えうる強度設計も施しています。
曲線や素材感を活かしたデザインが特徴的な栁澤さんのアイデアを、私たちの3Dプリント技術でどう実現するかが大きなテーマとなりました。
URBAN RESEARCH EXPO2025 STORE
【営業期間】2025年4月13日(日)〜10月13日(月)
【出店施設】大阪市此花区夢洲中一丁目地先S74 ウォータープラザマーケットプレイス西
【関連URL】未来に繋がる“すごい”をシェアするアーバン博 / 大阪・関西万博公式サイト
制作什器のご紹介(前編)
【内照ロゴ看板】







<加工工程>
1.3Dプリント
2.グラインダーで形状に合わせて切り出し、表面を整える
3.反り修正:ジェットヒーターで加熱し、加圧して平滑に調整
4.デジタルカッティングマシン(ZUND)で形を正確に切り出し
<ポイント>
パネル状のパーツを縦横に並べて視覚的な変化を演出。
光を内側から通す構造により、ブランドロゴの印象が引き立つ仕上がりに。
【レジカウンター】





<加工工程>
1.3Dプリント
2.グラインダーで切り出し、反り修正
3.複雑なテクスチャのある面は、表情を損なわないよう形状を微調整
4.四方の「押縁(おしぶち)」部品で固定感と美しさを両立
<ポイント>
波のような立体的テクスチャが光を反射して動きを感じさせるデザイン。
両サイドのL字型パーツを一体でプリント→切り離すことで、効率的に製作。
【スツール】



<加工工程>
1.3Dプリント
2.グラインダーで切り出し
3.数段階のやすりとコンパウンドで手作業による仕上げ
4.洗浄で樹脂くずや研磨剤を丁寧に取り除く
<ポイント>
表面には控えめな波状テクスチャを加え、反りを低減。
木材パーツが接続される部分はあらかじめ平滑な面でプリント。
【ハンガーラック】




<加工工程>
1.3Dプリント
2.昇降盤で切り出し
3.磨き
4.洗浄
<ポイント>
冷却による収縮や口の広がりを予測し、設計段階で数ミリ単位の調整。
さらに、1つずつではなく複数個まとめて出力することで効率アップを図っています。
後編では、まだご紹介できていない什器の数々や、細部に込めた工夫を掘り下げてご紹介します。
実際の加工工程で直面した課題やプロジェクトを振り返る中で見えてきた気づき、そしてこれからの展望についてもお届けします。どうぞお楽しみに!
後編はこちらから
担当 / 松田・稲葉