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Case 2

TSUCHIYA™ KABAN
京都店POPUP
TSUCHIYA™ KABAN
京都店POPUP

TSUCHIYA KABAN™ 京都店のPOP UPで使用されたディスプレイ什器の制作フローです。
店内中央に設置する格子状のミラーボックス什器と、店舗ファサードに面したウィンドウに設置するT字のアクリルを組み立ててつくる什器、ウィンドウシートやキャプションなどを制作しています。

難易度
制作期間
1ヶ月半
制作内容
格子状ミラーボックス什器、T字型什器、ウィンドウシート、アクリルキャプション、カッティングシート
使用機材
溶剤IJプリンター、レーザーカッター、UV プリンター、プロッター
クライアント
ANYNAL INC.

step

メールでお問い合わせを受ける

2023年4月18日

最初は紙をT字にカットしたオーナメントを吊るす、ディスプレイの制作プランとしてご相談を受けました。納品は約1ヶ月半後という短納期の案件です。

step 1

試作品をつくる

2023年4月18日〜20日

紙を調達しプロッターでカットをし、サンプルを制作します。
「実際にカタチにできるか?」「どんな見え方になるか?」をプロトタイプで確認していきます。

Point

なにはともあれ、まずは試してみます

イメージをカタチにするにはまず試すことが大事です。納品までのスケジュールが短い時はとにかく早めにサンプルを作って仕様を固めます。今回は、営業担当が機材を動かし、最初のサンプルを制作。できるだけ初動を早めました。

紙オーナメントのカットデータ。短納期のため工房からクライアントさんのオフィスに持参して確認します。

step 2

プラン変更

2023年4月23日頃

サンプルを元に検証した結果、紙オーナメント案から、T字のアクリルを組んでディスプレイ什器を制作する案に変更。

ウィンドウにはT字のアクリルで組み立てた什器を二つ、中央にはアクリルの什器を置き、奥に鏡を立てて映り込むとTの字が浮かぶように。

step 3

構造検証

2023年5月10日頃

1. 格子状のミラーボックス什器

店内の中央に配置する什器を作成していきます。全体が格子で連結されており、複雑な構造です。
実際にサンプルを作って、組みながらピッチを微調整したり、整合性がとれていない箇所を修正したり構造を決定していきます。

Point

手を動かしながら設計します

大型のアクリルや量産が必要なアクリルは、アクリル専門の協力会社さんに相談することもありますが、今回のケースでは特殊な設計で検証が必要だったため自社で制作しています。

「四面に分割して組み、最終的に組み合わせて透明のアクリルボックスで覆えば実現できそう」と営業担当と制作部で意見を出し合い、あたりをつけながら最終形を再設計します。


2. T字型什器

T字型のアクリルパーツを、パズルのように組み合わせて大きなT字をかたどった腰高の什器です。接着なしではめ込んで組み上げます。

Point

ミリ以下の単位で調整します

アクリル厚 + シート厚を計算し、ミリ以下の精度でパーツを調整します。
今回の什器は、組む順番を間違えると戻せないほどシビア。施工順まで設計しています。

無色透明のアクリルに社内で出力したシートを貼って、ブランドカラーのアクリルを制作します。

1/10サイズの模型で組み立て検証。
差し込み精度や、組み順による干渉を確認します。

ボール紙でモックアップをつくり、事前シミュレーションと検証を重ねていきます。

step 4

色・素材検証

2023年5月11日頃

土屋鞄製造所のコーポレートカラーであるブルーに仕上げるため、透明アクリルに色を合わせて出力したシート貼りを採用。透け感や色味をサンプルで確認しながら調整します。

Point

ご依頼よりもいい案があれば提案します

当初は既製品の透明ブルーのアクリルをご要望でしたが、色や納期の制約を考慮し、透明アクリル+シート貼りをご提案しました。透け感による色味の変化を確認できるよう、濃度違いのサンプルを複数製作して選定いただきました。

step 5

最終カットデータ作成

2023年5月20日頃

差し込み幅やテーパーを、0.1mm単位で調整し、レーザーカット用データの最終版を作成します。

Point

施工を見据えて、よりよい形を追求します

最終形の施工のしやすさを考慮して、ジョイント部分には自主的にテーパーをかけて設計しました。こうすることで、接続しやすく外れにくい構造になります。

ジョイント部分にテーパーをかけました。目視ではわからないほどの僅かなテーパーが肝です。

step 6

本制作

2023年5月25日頃

インクジェットプリンターとレーザーカッターを使い本番制作。
組み立てにも時間を要するため、工房で組み上げてから店舗に納品することに。

T字型什器の最終組立図はこのようになりました。

step 7

梱包・出荷

2023年5月29日

この什器は、京都での会期後東京に運搬し使用される予定だったため、再利用可能な梱包にしました。
強化段ボールの内側に20mm厚の発泡ポリエチレンフォームを貼り、中身が全く動かない状態で出荷しました。

Point

梱包には一家言あります

梱包は、納品物の第一印象。光伸プランニングでは昔から、梱包の綺麗さにこだわっています。
例えば、施工場所で開封しやすいようテープの端っこは折るなどの工夫をしています。

Complete

現地施工

2023年5月31日

京都で什器受け取りと設営、ウィンドウのシート貼り施工などを行っていきます。
什器の構造が複雑で破損リスクが高かったため、念には念を入れた梱包を。結果、無事破損なく到着しました。
会期後は東京での再設置も可能なよう、制作した梱包ケースは提供しました。

Note

営業担当:鶴谷

コロナ禍が明けた頃、「もっと外へ発信したい」と自ら始めた会社のインスタグラム。社内の様子や制作の裏側を地道に発信し続けて2年が経った頃、「インスタを見ました」と大きいご相談をはじめていただきました。続けていた発信が仕事につながった、と実感できた瞬間でした。
制作は一筋縄ではいかず、タイトな納期、難易度の高い形状。それでも「どうすれば実現できるか」を諦めず、制作チームと構造を分解しては組み方を検証し、何パターンものサンプルで調整を重ねました。
営業と制作が一体となり粘り強く形にする、「光伸っぽさ」が詰まったお仕事でした。